ひめゆりの塔
遠い昔の幼少期に、初めて覚えた沖縄の名所だったと思う。
何を見て知ったのか、微かな記憶をたどってみると、テレビで放送された白黒映画であったかと。調べてみると出てきたのが、映画「ひめゆりの塔」。
自分1人で見たのではなく、両親や今は亡き祖父母と一緒に。「昔日本でこんなことがあったんだよ」と話を聞きながら、信じられない世界を目の当たりしていた。何の知識もないけれど、あまり内容を覚えてないけれど、心に痛みが生じていたような感覚は今でも残っている。映画を見て、楽しい、面白い、嬉しいと感じた記憶が一切なかったので。
ひめゆりの塔とは
戦場で命を落とした「ひめゆり学徒隊」の慰霊塔とのこと。沖縄県立第一高等女学校と沖縄模範学校女子部が姫百合(ひめゆり)と呼ばれていたという。
ひめゆり平和祈念資料館
沖縄の歴史を後生に伝えるべく、賛同者の募金によって設立された。
建物を目にした瞬間に戦時中にタイムスリップしたような感覚となり、子供たちが校舎内を駆け回り、先生に走ってはいけないよと注意されているような絵が脳裏一体を駆け巡る。
当時の建物をイメージさせる「ひめゆり平和祈念資料館」には、多くの方が犠牲となった伊原第三外科壕が実物大で再現されている。今回は待ち時間があり入場を断念。
沖縄陸軍病院第三外科壕跡
慰霊塔の前にある洞窟が沖縄陸軍病院第三外科の壕跡で、ひめゆり学徒を含む病院関係者や住人が米軍のガス弾攻撃を受けて80人余りが亡くなっている。
自然の洞窟でできた防空壕のような跡。ここで写真を撮る人達が多かったけど、自分にはシャッターボタンを押すことはできなかった。ここで亡くなった人達がいると思うと、進まない。悲しい気持ちが高まり、すぐ奥へ移動。
実は実は、ひめゆりの塔に地元沖縄の人でも行ったことがない人が多いと聞いたんだよね。遠足や社会科見学でよく行くみたいだけど、観光客以外はあまり足を踏み入れないみたい。
ここは決して心地よい場所ではないけれど、沖縄の歴史と文化を知る上でも、命の大切さを感じる上でも重要な地。
それが「ひめゆりの塔」だと思う。
ひめゆりの塔
098-997-2100
https://goo.gl/maps/UKNNGa4C6Fbn3CZo9
Text by SAKU